「理由づけ」で承諾率をあげようとする女子(仮)~名古屋心療内科マンガ

突然ですが、皆さん。
「頼み事」って得意ですか?
自分は絶望的に苦手です。
たとえばカフェで隣の人が椅子に置いている荷物を少しどけてほしい時。
「あの、すみません…」と声をかけるまでに、脳内で5回くらいシミュレーションします。
「もし断られたら…」「『私のカバンが汚いって言うの!?』と逆ギレされたらどうしよう(被害妄想)」
なんて考えているうちに、結局、縮こまって隙間に座る。そんなミトコンドリアなみの人間です。
心理学を学んでも、メンタルが鋼になるわけじゃないんですよね。
むしろ「断られる理由」を分析しすぎて余計に怖くなるという職業病。悲しい生き物です。
でも、そんな私のような「頼み事下手さん」に朗報です。
実は、「あること」をするだけで、頼み事の成功率が劇的に上がるという、魔法のような心理テクニックがあるんです。
◆ コピー機の行列と「謎の言葉」
実は心理学者エレン・ランガーが行った、有名な実験があります。
通称「コピー機の実験」です。
舞台は、図書館のコピー機の前。そこに並んでいる人に、割り込みをお願いするという、私なら心臓が止まりそうなシチュエーションです。 実験では、言い方を変えて3つのパターンで頼んでみました。
- 理由なし:「すみません、5枚だけなんですが、先にコピーをとらせてくれませんか?」
- 正当な理由あり:「すみません、5枚だけなんですが、急いでいるので、先にコピーをとらせてくれませんか?」
- 意味不明な理由あり:「すみません、5枚だけなんですが、コピーをとらなければいけないので、先にコピーをとらせてくれませんか?」
結果、どうなったと思いますか?
◆ 驚きの結果と人間の「手抜き」グセ
1の「理由なし」の場合、承諾率は60%でした。まあ、そんなもんですよね。 2の「急いでいるので」という真っ当な理由をつけた場合、承諾率はなんと94%に跳ね上がりました。やはり、事情を説明するのは大事です。
そして問題の3番目。「コピーをとらなければいけないので」。 これ、よく考えてみてください。「お腹が空いたのでご飯を食べます」と言っているのと同じで、理由になってないんですよ。
コピー機に並んでるんだから、コピーとりたいに決まってるじゃないですか。
ところがどっこい。このパターンの承諾率、なんと93%だったんです。
驚きですよね。
ちゃんとした理由がある時と、ほぼ同じ結果が出たんです。
◆ 「カチッ・サー効果」の罠
これは心理学で「カチッ・サー効果(自動的反応)」と呼ばれる現象です。
一昔前のテープレコーダーの再生ボタンを「カチッ」と押すと、「サー」と砂嵐が流れるように、人は「〇〇ので」という言葉(理由付け)を聞くと、自動的に「あ、それなら仕方ないか」と承諾ボタンを押してしまう癖があるんです。
まるで、「理由っぽい形をしたパッケージ」に入っていれば、中身が空っぽでもプレゼントとして受け取ってしまうようなもの。人間の脳って、意外とちょろい…いえ、省エネにできているんですね。
◆ 今日から使える「なんちゃって理由付け」
この心理テクニック、応用しない手はありません。 何かを頼むときは、とにかく「理由」をつける。中身は二の次でいいんです。
例えば、職場で。 「この書類、確認してもらえますか?」ではなく、 「早めに終わらせたいので、この書類、確認してもらえますか?」と言ってみる。
家庭で。 「ゴミ捨ててきて」ではなく、 「手が離せないので、ゴミ捨ててきて」と言ってみる。(実際はスマホで猫の動画を見ているだけでも)
もちろん、毎回「コピーとりたいのでコピーさせて」レベルのめちゃくちゃな理由を使っていると、「こいつ、何言ってんだ?」とバレてしまいますが、「~ので」というクッションを一言挟む。それだけで、相手の受け取り方はぐっと柔らかくなります。
理由をつけるということは、言い換えれば「あなたを納得させたいと思っていますよ」という配慮の現れでもあります。 ぶっきらぼうに要望だけを投げるのではなく、理由というラッピングをして渡す。
そう考えると、理由付けは単なるテクニックではなく、コミュニケーションの潤滑油なのかもしれません。
皆さんも、明日誰かに何かをお願いするときは、ぜひ「魔法の言葉」を添えてみてください。
きっと、いつもより少し優しい世界が返ってくるはずです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)
オマケ


本当にありがとうございました。
(完)




















